Periodontal Disease Treatment
歯周病治療
あなたの歯ぐき、本当に健康ですか?
歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれています。なぜなら、初期段階ではほとんど痛みがなく、気づいた時には重篤な状態まで進行していることが多いからです。
日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病。しかし、早期発見・早期治療により進行を食い止めることができる病気でもあります。
まずはセルフチェックをしてみましょう
- ✓ 朝起きると口の中がネバネバする
- ✓ 歯磨きの時に血が出る
- ✓ 歯ぐきが赤く腫れている
- ✓ 口臭が気になるようになった
- ✓ 歯ぐきから膿が出ることがある
- ✓ 冷たいものが歯ぐきにしみる
- ✓ 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
- ✓ 歯ぐきが下がって歯が長く見える
1つでも当てはまる方は歯周病の可能性があります。症状が軽いからといって安心せず、専門的な診査を受けることをおすすめします。
歯周病とは
歯周病は、プラーク(歯垢)の中に住む細菌が引き起こす感染症です。これらの細菌が歯ぐきや歯を支える骨に炎症を起こし、最終的には歯を失う原因となります。
歯周病が進行する仕組み
- 1. プラークの蓄積:歯と歯ぐきの境目に細菌の塊が付着
- 2. 炎症の開始:歯ぐきが赤く腫れ、出血しやすくなる
- 3. ポケットの形成:歯と歯ぐきの間に深い溝ができる
- 4. 骨の破壊:歯を支える骨が溶かされていく
- 5. 歯の喪失:支えを失った歯がぐらつき、最終的に抜ける
歯周病の進行段階と症状
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歯肉炎(初期段階)
症状:歯ぐきの赤み・腫れ、ブラッシング時の出血
歯周ポケットの深さ:2〜3mm
治療法:正しいブラッシング指導、プラーク除去により改善可能 -
軽度歯周炎
症状:歯ぐきの腫れが強くなる、冷たいものがしみる、口臭の発生
歯周ポケットの深さ:3〜4mm
治療法:スケーリング(歯石除去)、ルートプレーニング -
中等度歯周炎
症状:歯のぐらつき、歯が浮いた感じ、歯ぐきからの出血・膿
歯周ポケットの深さ:4〜7mm
治療法:歯周外科治療の検討、徹底的な歯石除去 -
重度歯周炎
症状:激しいぐらつき、咀嚼困難、歯ぐきの大幅な後退
歯周ポケットの深さ:7mm以上
治療法:歯周外科治療、場合によっては抜歯・インプラント治療
歯周病は全身の健康にも影響します
歯周病菌とその毒素は血管を通じて全身に運ばれ、様々な病気のリスクを高めます。
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心疾患・脳血管疾患
歯周病菌が血管内で血栓を作りやすくし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを約2.8倍高めます。
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糖尿病
歯周病により血糖コントロールが悪化。一方、歯周病治療により糖尿病の改善も期待できます。
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誤嚥性肺炎
特に高齢者では、歯周病菌が肺に入ることで重篤な肺炎を引き起こすリスクがあります。
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妊娠合併症
妊婦さんでは早産・低体重児出産のリスクが約7倍高まると報告されています。
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認知症
歯周病菌が脳に達し、アルツハイマー型認知症の進行に関与する可能性が指摘されています。
当院の歯周病治療
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精密な診査・診断
・デジタルレントゲンによる骨の状態確認
・歯周ポケットの詳細な測定
・細菌検査による原因菌の特定 -
段階的な治療アプローチ・基本治療
・患者さまに合わせたブラッシング指導
・スケーリング・ルートプレーニング(歯石・プラーク除去)
・生活習慣の改善指導
治療の流れ
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1初回カウンセリング
現在の症状や生活習慣について詳しくお聞きします。歯周病への不安や疑問も遠慮なくお話しください。
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2精密検査
歯周ポケットの測定
レントゲン撮影
口腔内写真撮影
必要に応じて細菌検査 -
3診断・治療計画の説明
検査結果をもとに現状をご説明し、最適な治療プランをご提案します。
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4基本治療の実施
正しいホームケア指導と、専門的なクリーニングを行います。
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5治療効果の評価
基本治療後に再検査を行い、改善状況を確認します。
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6必要に応じて外科治療
基本治療で改善が不十分な場合は、歯周外科治療を検討します。
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7メンテナンス
健康な状態を維持するため、定期的なメンテナンスを継続します。
歯周病を予防するために
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正しいホームケア
・適切なブラッシング方法の習得
・デンタルフロス・歯間ブラシの活用
・薬用歯磨き剤の使用 -
生活習慣の改善
・禁煙(喫煙は歯周病のリスクを5倍高めます)
・バランスの良い食事
・ストレスの軽減
・十分な睡眠 -
定期的なプロフェッショナルケア
自分では除去できないプラークや歯石を、専門的にクリーニングします。
歯周病は治る病気です
「歯周病は治らない」と諦める必要はありません。適切な治療と継続的なケアにより、進行を止め、健康な状態を取り戻すことが可能です。
早期発見・早期治療により、大切な歯を生涯にわたって守ることができます。お口から全身の健康を目指しましょう。
