小児歯科

お子さまに寄り添う診療スタイル

初めて来院されるお子さまには、いきなり治療を始めることはありません。まずは歯科医院の雰囲気に慣れていただき、使用する器具を実際に触ってもらうなど、段階的にアプローチしていきます。

ご家族と一緒に取り組む予防

お子さまの歯の健康は、ご家族の協力なくしては実現できません。ご家庭でのケア方法から生活習慣まで、トータルでサポートいたします。

「どうせ生え変わるから」と乳歯の健康を軽視してはいけません。乳歯には重要な役割があります。

• 永久歯への影響

  乳歯の虫歯が進行すると、下にある永久歯の発育に悪影響を与える可能性があります。永久歯が変色したり、形成不全を起こしたりすることもあります。

• 歯並びへの影響

  乳歯は永久歯が正しい位置に生えてくるためのガイドの役割を担っています。乳歯を早期に失うと、永久歯の歯並びに問題が生じる可能性があります。

• 咀嚼機能の発達

  乳歯での適切な咀嚼は、顎の発育や消化機能の向上に欠かせません。また、発音や言語発達にも重要な役割を果たします。

• 健康習慣の基礎

  幼少期に身につけた歯磨き習慣や食生活は、生涯にわたる健康の基盤となります。

乳歯が虫歯になりやすい理由

乳歯が虫歯になりやすい理由

虫歯治療

• 

  初期虫歯

  フッ素塗布や経過観察により、進行を防ぎます。

• 

  中等度虫歯

  できるだけ痛みを感じさせない方法で治療し、白い詰め物で修復します。

• 

  重度虫歯

  神経の治療が必要な場合も、お子さまの協力を得ながら丁寧に行います。

フッ素塗布

フッ素の3つの働き

1. 1. 再石灰化の促進 - 初期虫歯を修復
2. 2. 歯質強化 - 酸に溶けにくい強い歯に
3. 3. 細菌活動の抑制 - 虫歯菌の働きを弱める

塗布頻度： 3〜6ヶ月ごと
対象年齢： 生後6ヶ月〜
効果： 約40〜60%の虫歯予防効果

シーラント（予防填塞）

奥歯の溝は歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい場所です。この溝を歯科用の樹脂で埋めることで、虫歯を予防します。

対象歯： 6歳臼歯、12歳臼歯、乳臼歯
効果持続期間： 約2〜3年
メリット： 痛みがなく、短時間で完了

0〜1歳（乳歯萌出期）

目標： 歯ブラシに慣れる
・指にガーゼを巻いて歯を拭く
・乳歯用の小さな歯ブラシを使用
・楽しい雰囲気で行う

1〜3歳（乳歯列完成期）

目標： 自分で歯磨きの真似をする
・お子さま用の歯ブラシで真似事
・保護者による仕上げ磨きが必須
・歯磨き粉はフッ素入りを米粒大で

3〜6歳（乳歯列安定期）

目標： 正しい磨き方を覚える
・基本的な磨き方を指導
・仕上げ磨きは継続
・フッ素入り歯磨き粉を豆粒大で

6歳〜（混合歯列期）

目標： 自立した歯磨き習慣
・永久歯の磨き方を指導
・部分的な仕上げ磨き
・デンタルフロスの使い方指導

規則正しい食習慣の重要性

• ダラダラ食べはNG

  お口の中が酸性になる時間が長くなり、虫歯リスクが高まります。
  推奨する食事パターン
  ・決まった時間に食事・間食
  ・食後30分以内の歯磨き
  ・就寝前の飲食は避ける

• 糖分との上手な付き合い方

  ・おやつは時間と量を決める
  ・糖分の少ない食べ物を選ぶ
  ・食べた後はうがいや歯磨きをする

仕上げ磨きのコツ

• 効果的な体勢

  ・お子さまを膝の上に仰向けに寝かせる
  ・頭をしっかり固定
  ・お子さまの口元がよく見える明るい場所で

• 磨き方のポイント

  ・歯ブラシは鉛筆持ちで軽く
  ・小刻みに動かす
  ・1本ずつ丁寧に
  ・歯と歯ぐきの境目を意識

• 嫌がる場合の対処法

  ・無理強いしない
  ・歌を歌ったり、数を数えたり
  ・短時間でも毎日続ける
  ・磨き終わったら褒める

口呼吸や悪習癖への注意

• 効果的な体勢

  以下の習癖は歯並びに悪影響を与える可能性があります。
  指しゃぶり：3歳以降は要注意
  口呼吸： 鼻呼吸の習慣を
  頬杖：顎の発育への影響
  舌の悪習癖：歯並びの乱れの原因

定期検診の重要性

• 推奨検診間隔

  0〜3歳：3ヶ月ごと
  3〜6歳：3〜4ヶ月ごと
  6歳〜：3〜6ヶ月ごと

• 定期検診で行うこと

  ・虫歯の早期発見
  ・歯並び・噛み合わせのチェック
  ・フッ素塗布
  ・ブラッシング指導
  ・食生活指導

「歯医者さんは怖くない」「歯を大切にすることは楽しい」そんな気持ちを育みながら、健康な永久歯へと導いてまいります。